童謡、唱歌、、、お好きですか?

昔、まだ20代だったころ。
妹は、高校生か、高校終わったばかりかな、、
知り合いに頼まれて老人ホームで童謡、唱歌、日本歌曲の演奏をしたことがあります。
知らない人ばかりで、、、緊張したのですが、夢中だったのを覚えています。
始まる前に、元気なおじいさんが「軍歌!軍歌!」って。
でも、できません。とりあえず用意した十数曲を演奏しました。
下手なおしゃべりもしながら、、、
終わったとき、何名かのおばあさんたちが、泣いてました。
ぼくたちは、ちょっとびっくりしました。


ひとりのおばあさんが、妹の手をにぎって言ってくれました。
「ありがとう。長生きしていてよかったわ。また、聴かせてね」
ぼくたちは、感激して涙が、、、それよりも、とても恐縮してしまったことを覚えています。
軍歌のおじいさんが「お姉ちゃんは、軍歌じゃないけど、よかったよ!また、やってくれな。そのときは軍歌も頼むな(笑)」って言ってくれたのも、すごくうれしかったこととして印象に残っています。
彼女は、そのあとも、おじいさんや、おばあさんから似たようなコメントをいただきました。
そのときは、気づきませんでした。
その人たちのために、ぼくたちは演奏していくんだ、ということに。
彼女は、うたの勉強をしにドイツへ。童謡をうたうのにドイツはいらなかったのに、、、笑
日本で音大を出ていない彼女は、いろいろとたいへんでした。
雪の降る季節に、貸してもらえる予定だった家へ引っ越そうとしたら、大家さんがほかの人に貸してしまっていたり、、、そのときは、長女がおなかにいたのに、雪の中、路頭に迷ったことになってしまいました。
電話で訊いたときは生きた心地がしませんでした。
考えられないようなことがたくさんありました。
でも、いつも、助けてくれる人たちが現れて、、、彼女の外国生活はなんとか続きました。ぼくだったら、帰ってきていたでしょうね。
よい先生にも恵まれて。よい友達にも恵まれて。彼女は、みんなのやさしい心とうたの勉強を支えにやっていたのでしょうね。
でも、そこで、パートナーと出逢い、ドイツで2人の子供をもうけました。
ドイツ数年、香港数年、その後、主人の就職で横浜へ。子育ての過程で、しばらくうたの勉強は中断しました。長女がことばを発するようになったころに、言いました。
「ママ、うたって!七つの子、うたって」
はっとしたんですね。
あ、私にはうたがあったって、思ったそうです。
そのとき思い出したのは、ドイツで勉強したむずかしいうたでなく、日本でうたっていた難しい日本歌曲ではなく、、、
こどもたちに、知らないうちにうたい聴かせていたうたの数々。
あの老人ホームでうたったプログラムです。
そんなときにはいい出逢いがあります。
作曲家の野平龍一さんが応援してくださって、「うた〜ママ、うたって」シリーズの小さなライブを始めました。
3人目の子ができて、上の子たちが、幼稚園、小学校と進むうちに、活動は中断しましたが、今では、子供たちが伴奏できるくらい大きくなりました。
7年ぶりに、やります。
「うた〜すてきな春に」と題して、あの老人ホームのプログラムプラスアルファで。
4月24日は野方区民ホール(中野区)
5月25日はカナックホール(東神奈川)
4月24日は、去年、うたのしまイベントで発表させていただいた、野平さんの編曲の沖縄のうたを、山内昌也さんがゲストでうたってくれます。
5月25日は、野平さんの自由なアレンジで、みなさんおなじみの曲を演奏していきます。
お近くの方、ぜひ、お出かけください!
ブランク、無名、、、いろいろあって、とくに4月の入りが悪そうなんです。
4月の方は、チケット、ご購入いただけたらうれしいですが、ひとりでも多くの方に聴いていただきたいので、必ず来てくださる方には、ぼくが持ってる分をさしあげます。ご連絡ください。
山内さんは沖縄から駆けつけてくださいますし。
せっかくの久しぶりのライブなので、たくさんの方に聴いていただきたいです。
くわしくは、ホームページをご覧ください。
→ https://yuyukai.com/uta/
長くなったのにすみません。
音楽会のご案内をお送りした方から、いただいたメールがあります。ご了承をいただいたので、紹介します。
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なほこさんのコンサートが7年振りですね
なほこさんの歌はヨーロッパで苦労して来ただけあって、心に響きます
現在、3人の子どもと香港人のだんなさんを相手に奮闘中のなほこさん
あなたがソロで歌う「童謡」は
ほんとうはたぶんあなたひとりで歌っているのではありません
苦労した異国で親切にしてくれた人達、彼女を支えてくれている香港人のダンナマフィア、そしてなにより、大切な子どもたちと一緒に歌っている。そんな感じがします
毎回、コンサートを聴いて涙ぐんでいるおばあさんたちをたくさんみかけます
「童謡」ってのは「家族の文化」なんだと、あらためて感じます
これからも、がんばってくださいね。 (K.K.東京都)
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