MARIA
MARIA
●うたのしま(旧・うたのしま音楽工房)
3歳よりピアノとうたを、市川順子、陶山敦子より習う。小学校高学年のころより松浦律子に師事。ドイツではゴットハルトに師事。13歳から松浦律子主宰のピノキオ会に参加。日本歌曲の演奏を通して詩の解釈をベースに音楽を組み立てた演奏を続けている。いわゆる音楽のジャンルを超えて「いいうただな」と「うたいたい」と思ったうたを中心にリサイタル、ライブ、また、支援学校や福祉施設、イベントなどで演奏。また、ライブ中のおしゃべりも好評で演奏活動をするアーティストの演奏とメンタルのコーチング・セッション。
MARIAの仕事
MARIAの仕事を紹介するには、その前提として、松浦律子の仕事を紹介しないといけない。
松浦律子は大正生まれの日本の声楽家。彼女は、ドイツ人ウーハー・ペーニッヒに個人的に師事、学生のころドイツ大使館での演奏では、ドイツ人が驚いたと聴いている。また、のちに日本でオペラの世界に大貢献をするイタリア人指揮者ニコラルッチ氏にえらく気に入られ、「私の養女になってイタリアへ一緒に帰りましょう。」とまで、言われた。松浦律子は悩んだが、小学生のころ、音楽の勉強のために東京へひきとってくれた義父のことを思うと、行けなかったと、のちにMARIAに回想している。その後、松浦律子は、ヨーロッパのオペラ、歌曲、とくにイタリアの現代歌曲等を多く日本に紹介。今ではよく知られているヨーロッパの曲の数々を本邦初演している。
その後、松浦律子は、NHK招聘のイタリアオペラを見るに思いを新たにする。「オペラは、日本の歌舞伎のようなもの。外国人の日本人が、一代、二代の勉強をして、(歌舞伎がそうであるように)とうてい身につくものではない」「わたしは日本のうたをうたおう」と思い、詩人を訪ね、作曲家を訪ねて「日本人のつくった新しいうたをうたいたいです。曲をください」と頼んで歩いたという。新作歌曲の会の演奏会にも参加し、初演をかさねてきた。サルビア、鴉、など中田喜直作品の初演も多い。十数回の日本歌曲のリサイタルで初演した歌曲は数多い。
また、弟子を中心に組織したピノキオ会は、松浦律子のレパートリーを中心に、新しい日本歌曲を発表していくグループで、演奏会も18回ほど開催されている。(音楽年鑑)
MARIAは、このピノキオ会のコンサートにはじめて出演したのが13歳のとき。このとき演奏した曲が、平尾貴四男の「うぐいす」。寺内昭の「ひばり」石田一郎の「せきれい」の3曲。大人の演奏者に混じり、堂々とうたった。MARIAは、この音楽会に参加してから、ドイツへ行くまでの約10年、この会での演奏活動を通して日本歌曲を多く研究、演奏していた。MARIAは、文学に造詣を深め、日本の古典から世界の名作まで、ことばの芸術への独特の世界観、解釈を有し、ことば、文化、文学への造詣とピノキオ会などでの演奏のひとつひとつの積み重ねが、現在のMARIAの仕事のベースになっている。
・ピノキオ会のピノキオ・ヴォカーレ・コンサートへの出演。
・アコスタディオ等での、チェロ、ピアノ、作曲家、声楽家とのジョイントコンサート。
・ドイツ留学時代
・野平龍一とのユニットでの音楽会。(はじめのうちは普通の音楽会だった。たしか、そうだった。いつの日にからか、野平龍一作編曲のレパートリーばかりの音楽会になり、いわゆる「MARIA節」「MARIAワールド」「野平宇宙」が生まれた。)
・ほとんど偶然に近い出逢いがもとで、共演させていただいたアーティストたちとの音楽会。
音楽の語法ではなく、詩の世界から「うた」を構築して、そのまま演奏する。ときには、詩人、作曲家のイメージをはるかに超えることもある。しかし、それは作品の大きさ、深さがあるから。ジャンルというものにおさまるものではなくなる。そういう作品は、100年、200年と演奏されていく。
この「うた」の構築法は、まさに松浦律子直伝によるものをベースに、リサイタルなどの本番を重ねて進化させてきた方法。ジャンルを超えて、すべての演奏曲を「歌曲」として演奏を構築してきた。多くの人たうたうスタイルと違う場合もあり、楽譜の記載とは違う解釈も多く、批判されることもあったが、自身の演奏美学には背くことができなかった。そのまま、うたい続けていたら、長い年月とともに、いつも同じうたい方から生まれる演奏が、独自のスタイルや音楽が際限なく出てくることに気づき迷いが無くなった。
レパートリーは多岐にわたる。しかし、共演者の野平龍一が「MARIA節」と言いだしたように、すべてが「MARIAワールド」になっていく。日本歌曲にとどまらず、ドイツリート、フランス歌曲、イタリア歌曲、宗教曲、オペラアリア、ミュージカル、ポップス、民謡、、すべてが「MARIA節」になる。聞いたことのある曲も、はじめて聞くようだという聴衆の声が多いのはそのためである。
近頃では、この「MARIAワールド」に集まるアーティストは、クラシックの音楽家にとどまらず、ミュージシャンにとどまらず、デザイナーも、画家も、詩人も、作曲家、カメラマン、、、。ジャンルを超えて、MARIAの影響を受けながら、独自の道を歩んでいく若い人たちが増えてきている。
主な演奏実績
- 第11回ピノキオ・ヴォカーレ・コンサート 1981年4月6日(月)@安田生命ホール
- せきれい 三好達治詩 石田一郎曲
- うぐいす 佐藤春夫詩 平尾貴四男曲
- ひばり 西條八十詩 寺内 昭曲
- 第12回ピノキオ・ヴォカーレ・コンサート 1983年4月1日(金)@青山タワーホール
- 月にひらいた 北原白秋詩 石渡日出夫曲
- すてきな春に 峯陽詩 小林秀雄曲
- 第13回ピノキオ・ヴォカーレ・コンサート 1985年4月4日(木)@第一生命ホール
- うつむいたあなた 中村千栄子詩 大中恩曲
- 夕映えの中に 立原道造詩 大沢和子曲
- 第14回ピノキオ・ヴォカーレ・コンサート 1987年4月3日(金)@第一生命ホール
- 風にのる智惠子 高村光太郎詩 清水脩曲
- 朝 深尾須磨子詩 塚谷晃弘曲
- 第15回ピノキオ・ヴォカーレ・コンサート 1987年11月4日(土)@第一生命ホール
- 秋の女よ 佐藤春夫詩 塚谷晃弘曲
- 小さな橋 安藤一郎詩 伊藤隆太曲
- 第16回ピノキオ・ヴォカーレ・コンサート 1991年11月14日(木)@草月ホール
- いつも風が吹いていました 中田浩一郎詩 塚谷晃弘曲
- 十か十一残しとけ 中村雨紅詩 斎藤高順曲
- 第17回ピノキオ・ヴォカーレ・コンサート 1994年11月15日(火)@カザルスホール
- お陽さまとキスをした 内山登美子詩 大中恩曲
- 風船乗りの夢 萩原朔太郎詩 石渡日出夫曲
- 第18回ピノキオ・ヴォカーレ・コンサート 1999年6月9日(水)@安田生命ホール
- 梓川の秋のうた 西原康子詩 小森昭宏曲
- 落ち葉のやうに 大手拓次詩 清水脩曲
- ブラームスの夕
- チェロソナタ、リートほか
- 金本幹彦、MARIA、中島隆浩
- シューマンの夕
- 幻想曲、リーダークライスOp.39
- MARIA、中島隆浩
- 日本歌曲の夕
- MARIA、松澤仁璽
- Queen’s Party
- 日本歌曲、ドイツリート、イタリア歌曲、オペラアリア
- 飯島靖弘、野平龍一、MARIA、松澤仁璽
- いのちのことば 〜語ること。うたうこと。@喫茶室アルテ崎山 (那覇)2011年10月12日
- Schumann Abend 〜シューマンの夕べ〜@ラ・フォンテ(那覇)2011年10月10日
- 昭和九十一年 第一回歌謡祭 ザ★ヒットソングス〜愛 それは甘く〜(阿佐ヶ谷)2016年3月26日
- MARIA&KIE Heartful Live “Sunrise, Sunset”(阿佐ヶ谷)2016年7月31日
- MARIA & NOHIRA LOUNGE LIVE:MariaSpiritualSongs@Qui(上野)2017年1月22日
- ■Queens’ Party 昭和九十二年 第二回歌謡祭 ザ★ヒットソングス〜愛 それは強く〜(阿佐ヶ谷)2017年5月21日
- 【ライブ】MARIA RECITAL 2017 作曲家と歩むみち (荻窪)2017年10月1日
- 【ライブ】MARIA RECITAL Ave Maria 2018 (荻窪)2018年10月7日
- 【ライブ】MARIA & NOHIRA LOUNGE LIVE:MariaSpiritualSongs@Qui(上野)2019年4月10日
- 【ライブ】MARIA RECITAL Ave Maria 2019(荻窪)2019年10月20日
- 【ライブ】MARIA & NOHIRA LOUNGE LIVE:MariaSpiritualSongs@Qui(上野)2020年3月22日 ※コロナ禍のため延期
- 【ライブ】おひさしぶりこ!MARIA×NOHIRA STuDio LIVE(高円寺)2023年3月19日
野平龍一 , Ryuichi Nohira
野平龍一,Ryuichi Nohira
千葉県市川市出身。桐朋学園大学音楽学部作曲理論学科作曲専攻卒業。 池内友次郎、原博、宍戸睦郎、M.メレル(フランス留学)の諸氏に師事。 代表作に交響組曲「あけぼの〜栃木へのいざない」、「音楽物語〜大中寺」、 「遠州音楽物語」、「三鷹市民体操」。 平成5年3月栃木商工会議所100周年記念コンサートにて、 山本直純氏指揮・新星日本交響楽団により「栃木へのいざない」を再演。 また、ジャンルを超えた音楽活動にも積極的に取り組み、 ポップス、ヒュージョン、ミュージカルでの有名アーティストとの 仕事も、年々、増えている。 自作の「お話ミュージカル・百万回生きた猫」(主演・細川ふみえ) の全国ツアー中。 各方面での作曲活動、声楽、室内楽のピアニストとしても活躍中。
MARIA/NohiraRyuichi ユニットの主な音楽会/ライブ
MARIAは、近年、プログラムの大部分が野平龍一の作編曲によるピアノパートでの音楽会を続けている。
- 日本のうた vol.1 @中野ZERO小ホール(東京)1997年9月20日
- 日本のうた vol.2 @野方区民ホール
- 日本のうた vol.3 @中野芸能小劇場
- うた〜ママ、うたって @野方区民ホール(東京)2007年4月24日
- うた〜ママ、うたって @かなっくホール(神奈川)2007年5月25日
- うた〜ママ、うたって @町田市民フォーラム・ホール(東京)2008年1月28日
- 女性のための政治セミナー @横浜パシフィコ 国立大ホール(神奈川)2008年6月11日
- うた〜ママ、うたって @かなっくホール(神奈川)2008年7月11日
- うた〜ママ、うたって @杉並公会堂小ホール(東京都杉並区)2008年12月21日
- うた〜ママ、うたって @City Court Hotel(沖縄)2008年11月30日
- うた〜母が教えてくれたうた @アコスタディオ(東京)2009年2月15日
- うた〜愛のテーマ @アルテ赤田ギャラリーホール(沖縄)2009年4月19日 昼の部
- うた〜月のテーマ @アルテ赤田ギャラリーホール(沖縄)2009年4月19日 夜の部
- うた〜愛のテーマ @大倉山記念館(神奈川)2009年6月15日
- うた〜月のテーマ @大倉山記念館(神奈川)2009年6月16日
- うた〜AveMaria 神様がくれたうた @杉並公会堂小ホール(東京)2009年10月3日
- うた〜AveMaria 神様がくれたうた @アルテ赤田ギャラリーホール(沖縄)2009年10月10日
- うた〜AveMaria 神様がくれたうた @アルテ赤田ギャラリーホール(沖縄)2010年3月14日
- うた〜AveMaria 神様がくれたうた @大倉山記念館(神奈川)2010年6月13日
- うた〜カナリヤ @杉並公会堂小ホール(東京)2010年10月16日
- うた〜カナリヤ @アルテ赤田ギャラリーホール(沖縄)2010年11月14日
- MerryChristmas! Concert @大倉山記念館(神奈川)2010年121月4日
- うた〜花 @アルテ赤田ギャラリーホール(沖縄)2011年4月24日
- うた〜花 @アルテ赤田ギャラリーホール(沖縄)2011年4月24日
- うた〜花 @杉並公会堂小ホール(東京・荻窪)2011年10月16日(日)
- うた〜花@大倉山記念館(横浜)2012年6月8日
- うた〜遊 @杉並公会堂小ホール(荻窪)
- MARIA〜SpiritualSongs REBORN @杉並公会堂小ホール(荻窪)2013年10月20日
- MARIA RECITAL 2014 @杉並公会堂小ホール(荻窪)2014年10月19日
- LOUNGE LIVE in OKINAWA 〜MARIA SPIRITUAL SONGS きぼうがあれば いのちは輝く(沖縄)2015年5月17日
- MARIA RECITAL 2015 〜生命、魂に響き。@杉並公会堂小ホール(荻窪)2015年11月15日
- MARIA & NOHIRA LOUNGE LIVE:MariaSpiritualSongs@Qui(上野)2015年12月12日
- MARIA RECITAL 2016 @杉並公会堂小ホール(荻窪)2016年10月23日(日)
- MARIA & NOHIRA LOUNGE LIVE:MariaSpiritualSongs@Qui(上野)2017年1月22日
MARIAは、近年、プログラムの大部分が野平龍一の作編曲によるピアノパートでの音楽会を続けている。
野平龍一公式WEBサイト http://nohira-ryuichi.com/ (準備中)